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相続とは

  •  相続というのは、人が亡くなった時に、その人の財産をその人の妻や子など一定の身分関係にある人が、その財産を受け継ぐということです。この場合、亡くなった人のことを被相続人と呼び、財産を受け取る人のことを相続人と呼びます。
  • つまり相続とは、被相続人の死亡により相続人が財産を受け継ぐことです。被相続人から相続人に受け継がれる財産のことを「相続財産」や「遺産」といいます。
  • 受け継ぐ財産には、土地、建物、預貯金のみならず、貸金や売掛金などの債権も相続の対象になります。また、このようなプラスになる財産だけとは限りません。借金や損害賠償債務といったマイナスの財産も相続の対象となります。ただし、被相続人が負っていた身元保証などの一身に専属したものは相続の対象になりません。
【面談業務可能対象エリア(その他はインターネットによる全国対応業務となります)】

兵庫県:尼崎 宝塚 伊丹 川西 西宮 芦屋 神戸市(東灘区 灘区 中央区 兵庫区 長田区 須磨区 垂水区 西区北区) 三田 明石 加古川 姫路 たつの 相生 赤穂 佐用 三木 小野 西脇 加西 加東 篠山 丹波 宍粟 養父 豊岡 神崎郡 多可郡 朝来 美方  

大阪府:大阪市(旭区 阿倍野区 生野区 北区 此花区 城東区 住之江区 住吉区 大正区 中央区 鶴見区 天王寺区 浪速区 西区 西成区 西淀川区東住吉区 東成区 東淀川区 平野区 福島区 港区 都島区 淀川区) 守口 門真 豊中 吹田 摂津 堺市 池田 箕面 茨木 高槻 豊能町 寝屋川枚方 交野 四条畷 大東 東大阪 八尾 柏原 藤井寺 松原 羽曳野 富田林 南河内郡 高石 河内長野 大阪狭山 泉大津 和泉 岸和田 貝塚 泉佐野泉南 阪南

京都府:京都市(左京 右京 北区 上京 中京 下京 東山 山科 西京 南区 伏見)長岡京 大山崎 八幡 久御山 宇治 宇治田原 城陽 京田辺 井手 相楽郡 南丹 京丹波 綾部 福知山 宮津 京丹後

奈良県:奈良市 大和郡山市 天理市 生駒市

相続手続き
  1. 相続の基礎知識
  2. 相続人
  3. 戸籍・相続人調査
  4. 遺言書
  5. 相続財産調査
  6. 相続手続
  7. 相続放棄
  8. 熟慮期間
  9. 失踪宣告・認定死亡
  10. 相続税
  11. 遺産分割協議
  12. 預貯金・不動産等の手続
  13. 相続財産の名義変更等
  14. 養子縁組と相続
  15. その他
相続の基礎知識
人が死亡すると、その死亡と同時に何もしなくても相続が開始します。何もしなくても相続は開始されますが、社会生活上手続は必要です。
  • 死亡届・火葬許可
    死亡を知った時から7日以内に市区町村に届ける必要があります。役所にへ行くと詳しく説明していただけますし、また葬儀社など手続のアドバイスをしてくれることもあり
  • 遺言書の確認

    遺言書が存在するか否かを確認します。公正証書以外の遺言書は家庭裁判所の 検認 が必要になります。また、封がされている遺言書を 勝手に開封すると5万円以下の過料 に処せられますので注意が必要です。

  • 相続人の確定
    法律上、相続人になれるのは一定の親族だけです。誰が法定相続人になるか、他に法定相続人はいないかを確認する為に戸籍の調査が必要になります。
  • 相続財産の調査

    故人の遺産を調査します。何が、何処に、どれだけあるのかできるだけ詳しく調べます。

    財産があった、無かったで揉めることはよくあります。できるだけ早めに財産調査する方が良いでしょう。


    故人の遺産を調査します。何が、何処に、どれだけあるのかできるだけ詳しく調べます。

    財産があった、無かったで揉めることはよくあります。できるだけ早めに財産調査する方が良いでしょう。


  • 預貯金など

    銀行などが相続の開始を把握した場合に口座が凍結されます。口座が凍結されますと、自動引き落としなどもストップするので注意が必要です。

    口座の解約や名義変更には遺言書または相続に印全員の同意が必要になります。一部の相続人が勝手に引き出す恐れがあるときには、銀行に口座凍結の手続の依頼をするようにして下さい。
  • 相続放棄限定相続

    マイナスの財産(借金や保証人になっているなど)がプラスぼ財産を上回る時は、相続放棄をすることで借金を背負わなくてもよくなります。

    また、プラスの財産とマイナスの財産があって、どちらが多いのかわからない場合などは限定相続という制度もあります。

    相続放棄・限定相続は相続の開始また自分が相続であることを知ってから 3ヶ月以内 にする必要があります。

  • 相続税の申告納税
    相続税の申告及び納税は被相続人の死亡後10ヶ月以内です。延納・物納の申し出もこの期間内ですので速やかに行いましょう。

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相続人
人が死亡すると、その人の一定の親族が相続人となります。誰が法定相続人になり、どれだけの割合を相続するのかは民法に定められています。詳しくは下記(法定相続人・法定相続分)の説明をご覧下さい。
相続人を確定する為には、戸籍を取得する必要があります。戸籍といっても現在の戸籍一通では足りず、被相続人の出生がら死亡まで途切れなく繋がった全ての戸籍(改製原戸籍・除籍)及び相続人全員の現在の戸籍が必要になります。
兄弟姉妹が相続人の場合には被相続人の両親の出生から死亡までの繋がった戸籍が必要になります。

人が死亡すると、その人の一定の親族が相続人となります。誰が法定相続人になり、どれだけの割合を相続するのかは民法に定められています。詳しくは下記(法定相続人・法定相続分)の説明をご覧下さい。

相続人を確定する為には、戸籍を取得する必要があります。戸籍といっても現在の戸籍一通では足りず、被相続人の出生がら死亡まで途切れなく繋がった全ての戸籍(改製原戸籍・除籍)及び相続人全員の現在の戸籍が必要になります。

兄弟姉妹が相続人の場合には被相続人の両親の出生から死亡までの繋がった戸籍が必要になります。

代襲相続がある場合には被代襲者の出生から死亡までの繋がった戸籍が必要になります。

戸籍の取得は本籍地の市町村役場で行います。郵送で取り寄せできますので、役所に手続の方法を問い合わせて下さい。最近は市町村合併などにより、何処の役所に請求しなければならないのか前もって調べることが多くなっています。

戸籍には「何処の誰の戸籍から、いつこの戸籍に入ってきたのか」という記載があります。その記載を元に一つ前の戸籍(従前戸籍といいます)を取得します。その戸籍にも従前戸籍の記載がありますから、その従前戸籍を取得します。このような手続を繰り返すことで、最後には出生の戸籍まで辿り着きます。

法定相続人の人数や構成により、必要な戸籍の数は変わります。場合によっては100通を超える戸籍が必要になるケースもあります。

戸籍取得の手続はかなり大変な作業になり、時間もかかります。また、案件によって必要な戸籍の範囲も変わりますので専門家に相談するのがいいかもしれません。

配偶者と先順位の法定相続人が全て相続人になれるとは限りません。(廃除・相続欠格

遺言によって野放図に財産の贈与・処分を認めると、残された相続人の生活の保障が全く考慮されないことになるので、一定の相続人に一定割合の相続財産を得ることが保障されています。これを遺留分といいます。

相続回復請求権

戸籍上は相続人になっていても、実際には相続人でない者(表見相続人)が、あたかも相続人であるかのように相続財産を引き継いでしまっている場合があります。このような場合に、本当の相続人 (真正相続人)は、表見相続人に相続財産を返してもらう為の請求ができます。これを 相続回復請求権といいます。

表見相続人とされる例としては

  • 相続欠格者にあたる相続人
  • 被相続人により廃除された者
  • 虚偽の出生届による戸籍上の子
  • 無効な養子縁組で戸籍上養子となっている子
  • 虚偽の認知届で子となっている者などが挙げられます。

この相続回復請求権で取り戻す方法として、裁判によるものと直接相手側に請求する方法がありますが、一般的には裁判による方法が多いようです。また、他に共同相続人がいても、一人で行使することができます。

  • 請求権者・・・相続財産を侵害されている真正相続人とその法定代理人。ただし、親族その他の利害関係人から請求することはできません。
  • 相手方・・・・相続財産を占有している表見相続人。

相続回復請求権は本当の相続人またはその法定代理人が、表見相続人が相続権を侵害していることを知った時から 5年で消滅します。また、これを知らなくても相続の開始があった時から20年間行使しないと消滅します。

  • 相続分の調整(特別受益と寄与分)
    相続人の間で公平を図る為に特別受益と寄与分という制度があります。特別に贈与を受けていた場合や、特別に貢献した場合にはその分を考慮して受け取る相続財産を調整します。

特別受益

結婚資金や住宅取得資金として生前にまとまった額の贈与を受けていた場合などが、特別受益に当たります。特別受益の財産は相続財産の前渡しとみなされ、相続財産に加えられます。特別受益者については、その人の相続分から受益分を差し引いたものが相続分とされます。

これを特別受益の持ち戻しといいます。特別受益の持ち戻しに関しては、被相続人の意思表示があればそれに従うことになりますので、遺言により持ち戻しをしなくてよいという意思表示が有効になります。ただし、遺留分には注意が必要です。

寄与分

共同相続人の中で財産の維持増加について特に寄与した人がいる場合は、その人に本来の相続分に一定の額(寄与分)を上乗せして相続分をします。寄与とは夫婦間の協力や親族間の扶養など通常のものではなく、特別な寄与をいいます。例えば、被相続人の事業に手助けや財産上の給付・被相続人の療養看護などで、被相続人の財産の維持増加に特別の寄与があった場合などです。

寄与分は共同相続人間の協議で決定します。協議が調わない場合は、寄与者からの請求によって家庭裁判所が決定します。ただし、寄与分権利者は共同相続人に限られます。内縁の妻や嫁はどんなに貢献しても寄与分を受けることができません。つまり、遺言がなければ、その労に報いるこのは難しいということです。


法定相続人

人が死亡すると、その一定の親族が相続人となります。誰が相続人になるのかは民法に定められています。相続人は被相続人が死亡した時に生存していなければなりません。

例外として、胎児は生きたまま産まれてくる事を条件に相続人となります。死産の場合は相続人にはなれません。

配偶者(常に相続人)・子供(第一順位)

民法上、配偶者とその他の相続人は多少扱いが違います。配偶者だけ別格だと言ってもいいでしょう。配偶者に関しては『いる』か『いない』かしかありません。配偶者以外の相続人の場合は、『いる』、『いない』、『いたが死亡』といった場合により、その地位がその他の相続人に引き継がれるのとは、明確jに区別されています。ここでいう配偶者とは戸籍上の配偶者のことをさします。たとえ離婚同然の状態であっても相続人となりますし、いくら周りの人が認めようと内縁の妻は相続人にはなれません。

子供がいる場合、その子供は相続人になります。 実子・養子ともに相続人になります。 嫡出子・非嫡出子ともに相続人になります。(ただし、非嫡出子の 法定相続分は嫡出子の2分の1)。また、他家へ養子に出した子供も相続人になります。( 特別養子縁組は除く)

孫は相続人ではありません。しかし、被相続人の子供が被相続人より先にが死亡していると、その死亡した子供に子供(被相続人にとっての孫)がいる場合、その孫は亡くなった子供に代わって相続人になります。( 代襲相続)孫も先に亡くなっている場合はひ孫が相続人となり( 再代襲)、もしひ孫が亡くなった・・・と何代先でも子供がいれば相続人になります。


  • 親・祖父母など(直系尊属・第二順位)

    直系尊属は第二順位の相続人になります。第一順位の相続人が存在しない場合には、直系尊属が相続人となります。直系尊属とは、父母、その両親、さらにその両親・・・のことをいいます。直系尊属が数人いる場合は最も親等の近い者だけが相続人となります。

    例えば、被相続人の父親と母方の両親(祖父母)の計3人が存命ぼ場合、父親だけが相続人となります。
    また、実親だけでなく養親も相続人となります。ただし、特別養子縁組をしたときの実親は相続人にはなりません。


  • 兄弟姉妹(第三順位)
    兄弟姉妹は第三順位の相続人になります。第一順位、第二順位の相続人が共に存在しない場合、兄弟姉妹が相続人になります。実の兄弟姉妹、養子縁組による義理の兄弟姉妹ともに相続人になります。(両親の一方だけが同じ兄弟の法定相続分は、両親ともに兄弟姉妹の2分の1

    被相続人より先に死亡した兄弟姉妹に子供がある場合は、その子供が兄弟姉妹に代わって相続人になります。ただし、第一順位の相続人と異なり、兄弟姉妹の子供が先に死亡していた場合は、死亡した子供に子供がいたとしても相続人にはなりません。(兄弟姉妹に再代襲はありません

      
相続順位 相続人
第一順位 子供(直系卑属)と配偶者
第二順位(第一順位の相続人がいない場合) 親(直系尊属)と配偶者
第三順位(第一・第二順位の相続人がいない場合) 兄弟姉妹と配偶者


法定相続分
 相続が開始されると、相続財産は遺言に従って、遺言がなければ法定相続人のものになります。法定相続人が複数いる場合は相続人全員の共有物になります。その共有の割合を法定相続分といいます。法定相続分は、相続人の身分(被相続人から見た親族関係)によって決まります。
  • 配偶者の法定相続分
    配偶者の法定相続分は、他の相続人の身分によって変わります。
他の相続人 配偶者の法定相続分
第一順位(子供) 2分の1(50%)
第二順位(直系尊属) 3分の2(約66%)
第三順位(兄弟姉妹) 4分の3(75%)
相続人なし 全て(100%)
  • 子供(第一順位)の法定相続分

    被相続人に配偶者がいる場合には2分の1、いなければ全てを第一順位の相続人が相続します。相続人が数人いるときは均等に分割します。実子・養子に差はありません。

    例外として、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1になります。

  • 親(直系尊属・第二順位)の法定相続分
    被相続人に配偶者がいる場合には3分の1、いなければ全てを第二順位の相続人が相続します。相続人が数人いるときは均等に分割します。
  • 兄弟姉妹(第三順位)の法定相続分

    被相続人に配偶者がいる場合には4分の1、いなければ全てを第三順位の相続人が像族します。相続人が数人いるときは均等に分割します。実の兄弟姉妹・養子縁組による義理の兄弟姉妹に差はありません。

    例外として、父母の一方だけが同じ兄弟姉妹の法定相続分は、両親ともに同じ兄弟姉妹の2分の1になります)なお、父母の一方だけが同じ兄弟姉妹のことを『半血』、両親とも同じ兄弟姉妹を『全血』を法律用語では呼ばれています。

      
代襲・再代襲
  • 代襲
      被相続人が死亡した時に生存していなければ相続人にはなれません。生きていれば相続人
     になれたのに、被相続人より早く死亡したというだけで何も受け取れないとすると、先に死亡し
     た者の家族にとって大変不公平なものとなります。そこで、先に死亡した者に子供がいれば、
     死亡した親に代わって相続人となるようにしました。親に代わって相続人になったものを『代襲
     者
』、死亡した親を『被代襲者』と呼びます。

  • 再代襲
      再代襲とは代襲するはずの者が既に死亡しているが子供がいるという場合、代襲を繰り返す
     ことをいいます。そして、再代襲できるのは第一順位(子供・直系の子孫)だけで、兄弟姉妹に
     は再代襲はありません。

  • 代襲相続できる資格
      代襲相続人になれるのは「子の子」「兄弟姉妹の子」だけです。直系尊属の子、配偶者の子
     は代襲者になりません。
      例えば、ある男性甲男が死亡。甲男の配偶者乙子は再婚で前夫との間に娘丙子がいる。乙
     子は既に死亡している。甲男の死亡により相続が開始されますが、娘である丙子は配偶者で
     ある乙子に代わって相続人になることはありません。

  • 代襲者の法定相続分
      代襲者の法定相続分は、被代襲者の法定相続分と同じです。代襲者が数人いる場合には
     被代襲者の相続分を均等に分割することになります。



   廃除・相続欠格

       相続人としての身分を持つものであっても、被相続人に対して虐待など非道な振る舞いを
      した者、その他被相続人に対してのみでなく非行を行った者にまで相続させる必要はありま
      せん。それを明確に規定するのが、「廃除」「相続欠格」です。

  • 廃除
      被相続人が推定相続人(相続が開始すると相続人となる者)に対し、相続人の身分を剥奪
     することをいいます。一方的に相続権を剥奪するという重大な行為である為、一定の要件を
     満たす必要があります。
      ・被相続人に対して虐待をした。
      ・被相続人に対して重大な侮辱をした。
      ・その他著しい非行がある。
     上記のうちいずれかを満たした上で、被相続人が推定相続人を廃除したいと考え、生前に家庭
     裁判所に請求(生前廃除)するか、遺言により廃除の意思を示し、遺言執行者が家庭裁判所に
     請求すること(遺言廃除)が必要になります。仮にいくら非道な相続人でも被相続人が廃除しよ
     うと思わなければ廃除されることはありません。

      廃除の取消はいつでも家庭裁判所に請求できます。遺言によって取消することもできます。
      第三順位の相続人、すなわち兄弟姉妹には遺留分がありません。遺言により、相続分を0に
     することが可能なので、兄弟姉妹に対する廃除はできません。

  • 相続欠格
      廃除と異なり、一定の事由があれば法律上当然に相続人にはなれません。また、被相続人が
     許したとしても相続人の身分を取り戻すことはできません。

      ・被相続人に対する殺人・殺人未遂で刑に処せられた者
      ・先順位・同順位の相続人に対する殺人・殺人未遂で刑に処せられた者
      ・被創造人が殺害されたことを知りながら告発・告訴しなかった者。ただし、殺害者が自己の
        配偶者・直系血族であった場合を除く
      ・遺言を偽造・変造・破棄・隠匿した者
      ・詐欺・脅迫により、自分に都合の良い遺言をさせた者
      ・詐欺・脅迫により、被相続人が遺言を書くのを妨げた者

     尚、廃除・相続欠格ともに代襲相続は認められます。



  ※遺留分

      遺留分とは、被相続人の意思(生前贈与や遺言)によっても侵すことのできない相続人の権利
     をいいます。遺留分の権利がある相続人とは、配偶者第一順位(子供)第二順位(親)です。
     兄弟姉妹には遺留分がありません
      遺産総額に対する遺留分の割合は
       ・相続人が直系尊属の場合 3分の1
       ・それ以外 2分の1
     となります。
      遺留分を侵害していても遺言は有効です。ただし、遺留分を侵害された相続人からの減殺請求
     あれば、侵害している分が無効になります。相続人は相続した財産が遺留分以下であった場合、
     遺留分減殺請求を行うことよって取り戻すことができます。
  • 遺留分減殺請求権
      遺留分減殺請求権は
       ・遺留分の侵害を知ってから1年
       ・相続開始から10年
     の間に行使しないと時効により消滅します。
      遺留分は相手方に「遺留分の減殺を請求する」意思表示をするだけで効力が発生します。内容
     証明郵便などで遺留分減殺の意思を示せば、時が経過しても時効により消滅することはありませ
     ん。また、強制執行をする場合は、裁判所を通さなければなりません。

  • 遺留分の放棄
      相続開始前に、家庭裁判所の許可を得て遺留分を放棄することができます。例えば、事業や
     農地を一定の人に継承させたいとき、他の相続人に前もって遺留分の放棄を行ってもらう場合
     などがあります。
      相続開始後であれば、放棄は事由です。何もしないことが遺留分の放棄をなります。また、放
     棄したとしても、他の相続人の遺留分は増加することはありません。



嫡出子・非嫡出子
  • 嫡出子(ちゃくしゅつし)
      嫡出子とは、法律上婚姻関係にある男女の間に生まれた子供をいいます。法律上の婚姻
     関係とは、一般的には『籍を入れた夫婦』と考えてください。
      以下は全て嫡出子です。
       ・婚姻中に生まれた子供
       ・婚姻中に妊娠し、離婚した後に生まれた子供
       ・婚姻中に妊娠し、父親が死亡した後に生まれた子供
       ・未婚時に出生し、父親に認知された子供で、後に父と母が婚姻した場合
       ・未婚時に出生した後に父と母が婚姻し、その後に父親が認知した子供
       ・養子縁組をした子供
  • 非嫡出子(ひちゃくしゅつし)
      非嫡出子とは、婚姻関係にない男女の間に生まれた子供で、嫡出子にあてはまらない子
     供をいいます。法定相続分でも述べた通り、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1
     なります。

  • ケース
    ・ケース
      甲子さんは未婚の時に息子(乙男)を出産しました。その後、息子の父親と違う男性と結婚。
     夫婦の間に息子(丙男)が生まれました。後に夫婦は離婚しました。離婚後は母親と息子2人
     の3人で暮らしていました。
      甲子さんにとっては、二人とも自分が生んだ子供であり、分け隔てなどありません。しかし、
     法律上では、長男(乙男)は非嫡出子、次男(丙男)は嫡出子になり、身分にれっきとした差が
     あったのです。
      その後、甲子さんが死亡し相続が開始されました。法定相続分は長男が3分の1、次男が3
     分の2になりました。同じ母親から生まれたというのに差がつくという結果になりました。

    ・対策
      非嫡出子は養子にできます。『実の子供を養子にする』というのはなかなか受け入れにくい
     感じがしますが、非嫡出子と養子縁組することによって、嫡出子たる身分を得ることができま
     す。ちなみに嫡出子である実の子供と養子縁組をすることはできません。
      甲子さんの例では、長男(乙男)を養子にすれば、息子二人の身分を同じにすることが可能
     であったということです。



  特別受益

      相続開始前に被相続人から贈与を受けた人も平等に相続財産を受け取れるとなりますと、相
     続人の間に不公平が起こります。その不公平をなくす為に生前贈与の一部や遺贈を特別受益
     として、法定相続分から特別受益を差し引いた分をその者の相続分とすることとなります。ただ
     し、遺言がある場合はその内容に従います。
      特別受益とされるもの
       ・遺贈・死因贈与
       ・婚姻の為の贈与(結納金・持参金など)
       ・養子縁組の為の贈与
       ・生計の資本として受けた贈与(大学などの学費、事業などを始めるにあたって援助を受け
        た金銭・店舗など、住宅などの購入資金など)

  • 計算
      特別受益を相続財産とみなし、法定相続分から特別受益を差し引いた分を相続分とします。
     法定相続分から特別受益を差し引いてゼロになれば相続財産は貰えないことになります。また、
     特別受益が法定相続分を上回る場合も相続財産を受けることができません。

計算例     相続人:嫡出子A、B、C  遺産:600万円
特別受益なし A、B、Cそれぞれ200万円
Aに特別受益150万円 相続財産を600+150=750万円と考える
   (一人あたり250万円)
Aは既に150万円の特別受益があるので、
   Aは250−150=100万円
   B、Cはそれぞれ250万円
Aに特別受益400万円 相続財産を600+400=1000万円と考える
   (一人あたり333万円)
Aは333万円を上回る特別受益があるので、
   Aは相続分無し
   B、Cはそれぞれ300万円
Aに特別受益1500万円 相続財産を600+1500=2100万円と考える
   (一人あたり700万円)
Aは700万円を上回る特別受益があるので、
   Aは相続分無し
   B、Cはそれぞれ300万円
B、Cの遺留分は700÷2=350万円なので、
Aに対して遺留分減殺請求ができる。


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戸籍・相続人調査      
法定相続人が誰であるかを確認します。戸籍関係書類(戸籍謄本・改製原戸籍・除籍謄本など)で親族関係を明らかにして、相続の関係を図で表します。ここで行われるのは戸籍の収集です。
故人の生まれてから亡くなるまでの戸籍を収集します。子供がいない場合は故人の親についても必要をなります。これらの戸籍をたどることで相続人が確定されます。相続の手続では相続人の戸籍謄本も必要となります。遺産分終了後に新たに相続人が判明すれば、遺産分割はやり直しとなります。(遺産分割協議書を1人でも欠いた遺産分割協議書は無効になります。)



  1. 遺言書
  • 遺言書の確認
      相続が開始されましたら、被相続人が遺言を残しているかどうか確認して下さい。
      遺言を残す方は相続人や親しい人に「遺言書を残している」旨を知らせるのが普通です。心
     当たりがある方や遺言書を預かっている方は速やかにその旨を相続人に連絡するようにして下
     さい。
      もし、遺産分割協議が終了した後に遺言が出てきますと、遺産分割協議は無効になりますの
     でくれぐれもご注意下さい。

  • 遺言書が見つからない場合
      被相続人から遺言を書いたことを知らされていたのに、遺言書が見つからないことが時々あり
     ます。自筆の遺言書であれば自分達で探すしかありませんが、公正証書の遺言書の場合は、
     原本が公証役場に残されていますので、正本を取得することができます。また、何処の公証役場
     で作成したか不明な場合にも
日本公証人連合会がコンピュータ管理していますので、お近くの
     公証役場から探すことができます。
      遺言を残しているはずだがその方式まで分からない場合は、公正証書で作成した可能性があ
     りますので、一度お近くの公証役場に問い合わせてみるとよいでしょう。

      尚、公証役場で手続してもらう為には
       ・被相続人が死亡したことが分かる戸籍
       ・自身が相続人であることが分かる戸籍
       ・自身の身分証明書(運転免許証や健康保険証など)
     が必要になります。詳しくはお近くの公証役場にお問い合わせ下さい。



検認

      遺言書の通常の方式には
       ・自筆証書
       ・公正証書
       ・秘密証書
     という三つの方式があります。また、緊急時や隔離された場合など「特別の方式」のものがありま
     す。そして公正証書遺言以外のものは家庭裁判所へ遺言の検認を申し立てなければなりません。


      遺言書の検認とは相続人に対して遺言の存在及びその内容を知らせ、遺言書の内容を明確に
     して遺言書の偽造・変造を防止する手続です。検認の済んでいない遺言書は遺言書としての効力
     がありません。遺言に従って不動産登記・預貯金の解約などをする場合にも、検認の済んでいな
     い遺言書ではそれらの行為ができません。

      検認は遺言の形式を検査する為にすぎず、内容には触れません。よって、検認した遺言書が
     全て有効であるというわけではないので、注意して下さい。

      検認の期間ですが、法律上は遺言を見つけた者・保管していた者は相続が開始してから遅滞
     無く検認の申し立てをしなければならないと定められています。尚、検認手続を怠った者や検認
     をせずに遺言を執行した者は
5万円以下の過料に処せられますので、ご注意下さい。


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  1. 相続財産調査

  • 財産の種類
財産の種類 財産の細目
土地
  • 田(耕作権及び永小作権を含む)
  • 畑(耕作権及び永小作権を含む)
  • 宅地(借地権を含む)
  • 山林
  • その他の土地
家屋
  • 借地権・借家権・地上権・抵当権・貸金など
  • 構築物
事業用財産
  • [減価償却資産]機会、器具、農機具、果樹、農耕用牛馬、営業権、電話加入権、その他の減価償却資産
  • 商品、製品、半製品、原材料、農産物など
  • 売掛金
  • その他の財産
有価証券
  • 株式・出資金
  • 公社債・金融債
  • 信託受益証券
預貯金
  • 現金・小切手・為替など
  • 銀行預金・郵便貯金など
家庭用財産
  • 家具・じゅう器・備品など
その他の財産
  • 生命保険金など
  • 生命保険契約に関する権利など
  • 慰謝料請求権・損害賠償請求権など
  • 退職金・功労金など
  • 定期金に関する権利
  • 立木
  • 自家用自動車・電話加入権など
  • 貸付金・未収入金など
  • 美術品・書画・骨董
  • 特許権・商標権・著作権などの占有権

     不動産は固定資産税の納税証明書を取得するのが調べやすくて便利です。
     預貯金は通帳が見つかれば残高を調べて、かつ同じ銀行に複数の口座がないか名寄せを依頼
    します。通帳が見つからないけど、口座があることが分かっている場合にはその銀行をしらみつぶ
    しにあたることになります。


     相続財産には上記のプラスの財産だけではなく、借金や保証人(連帯保証や連帯債務も含
    む)、また住宅ローンや損害賠償などのマイナスの財産も含まれます。マイナスの相続財産が
    プラスの財産より多い場合は故人の死亡を知った時から3ヶ月以内にプラス・マイナスの両方
    の財産を受け継がない相続放棄の手続をしなくてはなりません。ちなみに相続放棄によって次
    順位の者が相続人となりますので、大きな借金が残っている場合は、第三順位の相続人まで
    の全員が相続放棄の手続をしないと、手続しなかったものが負債を負うことになりますので、
    ご注意下さい。また、被相続人の現金うぃ葬式費用にあてた場合などは、単純承認とみなされ
    ますので、負債が多い場合は被相続人の財産には手をつけないようご注意下さい。

  • マイナスの財産
      マイナスの財産には、借金や保証人(連帯保証や連帯債務も含む)、または住宅ローンや損害賠償なども含まれます。


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  1. 相続手続

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  1. 相続放棄
     被相続人の死亡によって相続が開始され、何もしなくても遺産は法定相続人のものになります。
    上記でも述べた通り、遺産の中にはマイナスの財産も含まれます。大多数の人は借金を背負い
    たいとは考えないでしょうし、法定相続人の中には相続争いやトラブルに巻き込まれるのを嫌がっ
    て、相続財産を受け取りたくないと考える人もいるでしょう。
     そのような法定相続人の意思に反して相続されられることのないように相続放棄という制度があ
    ります。相続放棄をすると、放棄した相続人は「最初から相続人ではなかった」みなされ、代襲相
    続も起こりません。尚、相続放棄は単独でも行えますが、他の共同相続人や次順位相続人に損
    害を与えないよう注意が必要です。また、借金が多い場合などは後順位の相続人も相続放棄する
    必要があります。

  • 相続放棄の手続
      相続放棄を行う場合には、家庭裁判所に申述する必要があります。
        申述先・・・被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
        申述の期間・・・自己の為に相続が開始したことを知った時から3ヶ月以内
                   →3ヶ月で財産調査が終わりそうにない時は、家庭裁判所に期間の
                    伸長を請求できます。
                   →相続放棄をせず3ヶ月を経過した後に被相続人に借金があること
                    が判明した場合などには「借金を知って3ヶ月以内」であれば、相
                    続放棄できる可能性があります。
        必要書類・・・ ・相続放棄の申述書1通
                 ・申述人の戸籍謄本1通
                 ・被相続人の除籍(戸籍)謄本、住民票の除票各1通
        費用・・・800円+連絡用の切手代
        注意点・・・被相続人の財産に手をつけたものは相続放棄できません。葬儀費用を相続
               財産で支払った場合も該当します。また、一度相続放棄すると撤回できませ
               ん。

      相続放棄は絶対ではありません。家庭裁判所が相続放棄を認める審判をしてもそれが絶対
     という訳ではありません。例えば、被相続人の債権者が「不当な方法で相続放棄をした」など
     と相続放棄の審判の無効を訴えることは可能です。

  • 相続放棄による順位
      法定相続人には第一順位、第二順位、第三順位があります。第一順位の法定相続人がいる
     場合は第二、第三順位の人は相続人ではありません。
      第一順位の法定相続人全員が相続放棄をすると、第二順位の人が相続人になります。同じ
     ように第二順位の法定相続人全員が相続放棄した場合や、いない場合は第三順位の人が相続
     人になります。

  • 注意点
      次のようなケースが頻繁に見受けられますのでご注意下さい。
     父が死亡。法定相続人は母と子供2人。全ての遺産を母親が相続できるように子供2人が揃っ
     て相続放棄。
      このようなケースで子供が全員相続放棄すると、亡父の直系尊属(第二順位)、又は兄弟姉妹
     (第三順位)が法定相続人になります。結果、母は財産の3分の2ないし4分の3しか相続するこ
     とができなくなります。
      相続財産を受け取らないことと相続放棄は全く違います。間違いのないようご注意下さい。

     相続財産が明らかにマイナスの場合は相続放棄という方法がありますが、プラスかマイナスか
    が微妙な場合は限定相続(限定承認)
といった制度もありますので、ご確認下さい。


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  1. 熟慮期間
     相続財産を受け継ぐかどうかは、自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内に意思
    表示をすることによって決まります。この3ヶ月を熟慮期間といいます。熟慮期間中に財産の調
    査ができない場合、3ヶ月経過前であれば熟慮期間の伸長を申し出ることができます。

  • 起算点
      相続放棄や限定承認などの期間3ヶ月は自己のために相続が開始したことを知ってから3ヶ
     月となります。被相続人と法定相続人の関係は夫婦、親子の関係が圧倒的に多いので、通常
     は被相続人が死亡した日が起算点となります。(もし、半年後に死亡を知った場合は、その半
     年後が起算点になります。)また、先順位の相続人全てが相続放棄をした為に次順位の者が
     相続人となった場合には、「先順位の相続人が全員相続放棄をした事実を知った日」が起算点
     となります。

      尚、被相続人の日頃の態様などから「まさか借金が存在するとは思わなかった」ということに
     相当の理由があるならば、借金があることを知った日を起算点にすることも許されます。

  • 注意点
      相続放棄、限定相続は3ヶ月以内に申し立てをすれば、審判が下ったのが3ヶ月を経過した後
     でもその相続放棄、限定相続は有効になります。
      それに対して、熟慮期間の伸長は3ヶ月以内に審判されなければなりません。3ヶ月以内に申
     し立てたが3ヶ月を経過した後に審判された場合、その審判に効力はありません。
      熟慮期間の伸長を申し立てる場合、最低でも1週間以上の余裕を持ち、かつ期間満了まであと
     何日しかないということを裁判所に対して注意喚起するなどしなければなりません。
      ・相続放棄、限定相続は3ヶ月以内に申し立てればよい。
      
熟慮期間の伸長は3ヶ月以内に審判が必要。


     尚、この期間の伸長は家庭裁判所が認めれば何度でも行うことができます。


     熟慮期間中に意思表示がなければ、相続を承認した(単純承認)とみなされます。単純承認とは
    プラスの財産とマイナスの財産の一切を相続することをいいます。相続人が相続財産の全部又は
    一部を処分した時は、単純承認したとみなされます。大きな借金などがある時はご注意下さい。ま
    た、形見分けなどの場合も経済的価値の大きいものがあれば注意が必要です。
     相続が起きたけれども実際は借金ばかりだったという時は、熟慮期間中に家庭裁判所に相続放
    棄
の申述を行わなくてはなりません。

     プラスの財産が多いかマイナスの財産が多いか分からない場合は、限定相続(限定承認)を行
    います。限定相続とは、相続によって得た財産の範囲内で被相続人の債務を引き受けるというも
    のです。熟慮期間中に共同相続人全員(相続放棄した者は含まれません)で、財産目録を作成し
    て、家庭裁判所に申述しなければなりません。この財産目録に悪意(この場合の悪意とは相続財
    産であることを知っていて、そのことによって債権者を害する意思を持っていたようなことをいいま
    す)で記載しなかった財産(プラス・マイナスの両方の財産)があった場合、単純承認したものとみ
    なされます。限定承認や相続放棄した後に相続財産の全部又は一部を隠したり、消費した場合は
    単純承認したとみなされます。
     尚、事業承継や農業承継の為、承継者となる相続人以外が相続放棄をする場合も、一般的に放
    棄するといいます。ただし、この場合は遺産分割協議の中で取得分をゼロにすることによって対応
    できます。



  限定相続(限定承認)

      相続財産が明らかにマイナスの場合には相続放棄という制度がありますが、プラスの財産も
     マイナスの財産もあることは分かっているのだが、どちらが多いのか簡単に判断できないという
     ことがあります。通常は「プラスの財産がマイナスの財産を上回るにであれば相続したいが、マ
     イナスが上回るのであれば相続放棄したい」と考えると思います。そのような場合に限定相続(
     限定承認)という制度があります。

      限定相続を行うと、資産(プラスの財産)も負債(マイナス)の財産も全て相続します。ただし、
     負債の返済については相続財産を限度として免除されます。つまり、借金などの負債を返済し
     て余りが出ればそれを相続でき、もし相続財産を使って返済しても足らない場合は、返済しなく
     てもよいということになります。

      一見大変よさそうな制度なのですが、実は簡単ではありません。余程の理由がない限り限定
     相続は行わない方がよい
でしょう。
      限定相続はその法整備自体がまだ不十分であり、また、事例が少ないことから一般の方のみ
     で行うことは非常に難しいと思われます。間違いなく弁護士に依頼することになります。さらに、
     限定相続の手続には最低でも1年、場合によっては数年に及ぶ場合もあります。そして、かなり
     の費用がかかることも覚悟しなくてはなりません。

  • 限定相続の手続
        申述先・・・被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所
        申述の期間・・・自己の為に相続が開始したことを知った時から3ヶ月以内。
                   →3ヶ月で財産調査が終わりそうにない場合は、家庭裁判所に期間の
                    伸長を請求できます。
        必要書類・・・ ・相続の限定承認の申述書1通
                 ・申述人の戸籍謄本1通
                 ・被相続人の戸籍(除籍、改製原戸籍)謄本(出生から死亡までの全ての
                  戸籍謄本)、住民票の除票各1通
                 ・財産目録1通
        費用・・・800円+連絡用の切手代
        注意点・・・相続人全員が限定承認の申し立てをしなければなりません。被相続人の財産
               に手を付けたものは限定承認できません。葬儀費用を相続財産で支払った場
               合も該当します。また、一度限定承認を行うと撤回できません。
               特に法定相続人全員で行わなければならないところに注意が必要です。尚、
               相続放棄した人は最初から相続人でなかったとみなされますので、限定承認
               の申し立ては不要です。

      限定相続が認められると相続財産は競売に掛けられ、その売却金を負債の返済に充てます。
     全て払い終われば残った財産は相続人のものとなり、返済に不足する場合には相続人は何も
     受け取れませんが、支払う義務も負いません。
      競売による処分が基本ですが、限定相続では例外が設けられています。相続人がどうしても
     手に入れたい財産がある場合は家庭裁判所に鑑定を申し立てて、その鑑定価格で購入するこ
     とが可能です。

      相続人は優先的に相続財産を買い取る権利があります。どうしても欲しい遺産がある場合は、
     明らかに負債が多くても限定承認することにより、鑑定額で購入することができます。通常は競
     売によりますので、欲しい財産を競り落とすという方法も考えられますが、競売の場合、必ず手
     に入る保障はありませんが安く手に入る可能性もあります。

      資産が数億円、負債が数億円といった場合は、弁護士費用等を負担しても限定相続する価値
     があるといえます。資産や負債が複雑で、把握するのが困難な場合でも3ヶ月の熟慮期間の伸
     長
と行えば、把握することができます。これらを考えてみますと、熟慮期間を伸長して資産と負
     債を把握して、「単純承認」か「相続放棄」のどちらかを取るのも選択の一つだと思います。


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  1. 失踪宣告・認定死亡
     失踪宣告とは長期間行方不明となっている者や、沈没船に乗船していて消息と絶った者がい
    る場合、家庭裁判所に失踪宣告の審判を申し立て、審判で認容されたときに「死亡したものとみ
    なす」ことにより、その人に関わる法律関係を確定させる制度です。
     失踪宣告には普通失踪特別失踪の二種類があり、それぞれその要件と効果が民法によって
    定められています。

  • 普通失踪
      7年間生死が明らかでない時、利害関係人が家庭裁判所に請求することにより、失踪宣告さ
     れます。
行方不明から7年後の日に死亡したとみなされます。

  • 特別失踪
      特別の事情のある者(戦地へ臨んだ、沈没した船舶の中に在った、その他死亡の原因となる
     べき危難に遭遇した)
で、危難が去った後(戦争が止んだ、船舶が沈没した、その他の危難が
     去った)
、一年間生死が明らかでない時、利害関係人が家庭裁判所に請求する危難が去った日
     に死亡したとみなされます。

  • 失踪宣告の流れ
      失踪宣告を請求すると、家庭裁判所は調査を行った上、公示催告という手続をします。公示催
     告は、家庭裁判所の掲示板、官報で公示されます。公示期間は
6ヶ月以上(特別失踪では2ヶ月
     以上)
とされています。こうした手続を経た上で失踪宣告されます。その為、これらに要する期間
     は半年から一年かかることになります。

      審判書謄本が送達された日から2週間以内に、その審判に対して不服申立がなければ、審判
     は確定します。申請に基づいて
確定証明書が交付されます。
      失踪宣告の審判が確定すると、失踪者は失踪期間満了時に死亡したとみなされます。審判確
     定の日から10日以内に市町村役場(本人の本拠地又は届出人の住所地)へ失踪届を出さなけ
     ればなりません。

  • 失踪宣告の取消
      ・失踪宣告されたが、実は生存していた。
      ・失踪宣告の日と違う日に死亡していることが証明された。
     場合には、本人又は利害関係人の請求により失踪宣告の取消をします。

      失踪宣告が取り消された場合は失踪宣告はなかったことになり、原則として財産関係や身分
     関係が元通りになります。つまり、相続は開始されなかったことになりますし、婚姻は解消しな
     かったことになります。ただし、失踪宣告が取り消された場合でも、失踪者が生きていることを
     知らないでした行為(相続財産の処分など)は有効です。また、失踪宣告により直接的に財産
     を得た者(相続人、財産を遺贈された者、生命保険金の受取人など)は、失踪宣告の取消によ
     り財産を失う場合でも、
その利益が残っている限度で失踪者に返還すればよいとされます。

  • 失踪宣告と重婚
      当然ですが、日本では同時に二人以上の人と婚姻することはできません。(重婚の禁止)
      例えば、AとBという夫婦がいるとします。
     Bが行方不明になって、7年が経過した後失踪宣告がされました。Aはその後Cと再婚します。
     ところが、実はBは生存しており、その為失踪宣告が取り消されました。そうなると、AはBとC
     の二人と婚姻していることになります。この場合は後の婚姻(Cとの)を有効として、前婚つまり
     失踪宣告されたBとの婚姻を取り消すことになります。

  • 認定死亡
      水難や火災その他の事変によって、死亡したのは確実であるが、遺体が出てこないという場
     合があります。そのような場合には戸籍法の規定により、確証はないが状況から見て、死亡し
     たことが確実と認められる者については、その取調べを行った警察署などの官公署が死亡地
     の市区町村に死亡と認定してその旨の報告を行います。市区町村では、死亡報告に基づいて
     戸籍に死亡の旨が記載されます。これを
認定死亡といいます。

      この場合、正確な死亡時刻が分からない為、戸籍には「推定する」旨が記載されます。認定
     死亡は戸籍手続上の必要から官公署が死亡の事実を確認するものに過ぎない為、後で本人
     が生存していたり、死亡日時が判明した場合には、戸籍の訂正が行われることになります。し
     かし、反証がない限り戸籍記載の日に死亡したものとして取り扱われます。

      認定死亡の例
       ・炭鉱爆発事故の場合
       ・海難の場合
       ・震災の場合
       ・水難の場合
       ・戦時の船舶事故の場合
       ・空襲による死亡の場合
       ・山津波の場合

      認定死亡は死亡したことが確実でなければ行うことができません。例えば夫が蒸発して音信
     不通で生きているかどうか分からない状態が長期間継続していても、死亡を認定することはで
     きません。官公署から死亡宣告がなされない場合には、失踪宣告の手続によるほかありませ
     ん。


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  1. 相続税

  • 基礎控除
      相続税の計算にあたり基礎控除というものがあります。相続税は基礎控除の金額を超えた
     部分にだけ掛かります。つまり、遺産の総額が基礎控除に満たない場合、1円も納める必要は
     ありません。よって、その場合には税務署への申告などは一切不要です。

      基礎控除の額ですが、
     5000万円+(法定相続人×1000万円)として計算します。
     例えば、相続人が4人の場合は9000万円になります。

税法上の法定相続人の人数
相続放棄した相続人がいる場合 人数に数えます
代襲相続人がいる場合 人数に数えます
養子が数人いる場合(実子なし) 養子が3人以上いても「2人」と数えます
養子がいる場合(実子あり) 養子が何人いても「1人」と数えます

      基礎控除を超える財産がある場合でも、様々な制度を利用することによって税金が安くなりま
     す。代表的なものとして

配偶者 配偶者が相続する財産のうち、法定相続分もしくは1億6000万円の
いずれか大きい方の額まで非課税
未成年 成年に達するまでの年数(端数は切り上げ)×6万円が非課税
障害者 70歳に達するまでの年数(端数は切り上げ)×6万円が非課税
特別障害者の場合は年数×12万円
宅地 一定の条件の下、宅地240uのうち80%が非課税
     尚、これらの制度を利用する場合は、たとえ相続税を払う必要がない時でも税務署への申告は
     必要になります。基礎控除に満たない場合と異なりますのでご注意下さい。

  • 相続税の計算
      では、基礎控除を上回る財産がある場合は、いくらの税金を納めなければならないのでしょう
     か。ここでは実例を挙げて説明していきたいと思います。

      相続税は基礎控除を超えた金額に一定の税率をかけて計算するのではありません。それで
     はどのようにするのかといいますと、
       1.基礎控除を超えた金額を法定相続分に分割して、それぞれの金額に応じて算出する。
       2.その合計金額を納税額の総額とする。
       3.実際の相続額の割合に応じて各相続人に納税義務を課す。
     というものになっています。

相続税速算表
法定相続分に応ずる取得金額 税率 控除額
1,000万円以下 10%
3,000万円以下 15% 50万円
5,000万円以下 20% 200万円
1億円以下 30% 700万円
3億円以下 40% 1,700万円
3億円超 50% 4,700万円

      ケース1
       基礎控除を超える金額 : 8000万円
       法定相続人 : 配偶者(A子)、嫡出子(B太、C美)
       遺産分割協議により、配偶者2000万円、嫡出子それぞれ3000万円を相続(割合にす
        ると、配偶者0.25、嫡出子それぞれ0.375になります。)
      計算
       法定相続分に分割したとすると、配偶者4000万円、嫡出子それぞれ2000万円
        配偶者(A子) 4000×0.2−200=600万円
        嫡出子(B太) 2000×0.15−50=250万円
        嫡出子(C美) 2000×0.15−50=250万円
       合計金額 600+250+250=1100万円が納税の総額になります。
       この納税額を実際の相続分の割合で各自が負担します。計算すると、
        配偶者(A子) 1100×0.25=275万円
        嫡出子(B太) 1100×0.375=412.5万円
        嫡出子(C美) 1100×0.375=412.5万円
       が各自の納税額となります。
       尚、このケースでは配偶者控除を適用することができますので、配偶者の納める相続税
       は0円です。嫡出子の2名がそれぞれ412.5万円を納税することになります。
       もし、法定相続人が子供1人だけの場合は
        8000×0.3−700=1700万円
       になるので、ケース1に比べて600万円多くなります。

      ケース2
       基礎控除を超える金額 : 2億円
       法定相続人 : 配偶者(D代)、嫡出子(E江)1名、非嫡出子(F郎)1名
       遺産分割協議により、配偶者1億2000万円、嫡出子・非嫡出子それぞれ4000万円を
        相続(割合にすると、配偶者0.6、嫡出子0.2、非嫡出子0.2となります。)
      計算
       法定相続分に分割したとすると、配偶者1億円、嫡出子6666万円、非嫡出子3333万円
        配偶者 10000×0.3−700=2300万円
        嫡出子 6666×0.3−700=1400万円
        非嫡出子 3333×0.2−200=467万円
       合計金額2300+1400+467=4167万円が納税の総額になります。
       この納税額を実際の相続分の割合で各自が負担します。計算すると、
        配偶者 4167×0.6=2500万円
        嫡出子 4167×0.2=833万円
        非嫡出子 4167×0.2=833万円
       が各自の納税額となります。
       また、このケースでも配偶者控除を適用することができますので、配偶者の納める相続税
       は0円です。嫡出子、非嫡出子がそれぞれ833万円を納税することになります。
       もし、法定相続人が子供1人だけの場合は
        20000×0.4−1700=6300万円
       になりますので、ケース2に比べて約2133万円多くなります。

  • 遺贈、死因贈与契約がある場合
      遺贈とは、遺言によって財産を贈与することをいいます。法定相続人に対する遺贈は相続と
     みなされることが多い為、正確ではありませんが「法定相続人以外への遺言のよる贈与」と考
     えてよいでしょう。遺贈により贈与を受ける者を受遺者と呼びます。

      一方、死因贈与契約とは「死亡を条件として財産を贈与する契約」です。遺贈が遺言者の一
     方的な意思のより成立するのに対して、死因贈与契約は名前の通り契約ですので、贈与する
     側と受け取る側の双方の合意により成立します。

      遺贈、死因贈与契約は相続ではなく贈与なのですが、税法上は「相続税」が適用されます。
     贈与税は相続税に比べてかなり大きな負担となりますが、遺贈、死因贈与契約の場合は相続
     税と同じ税額で贈与が行えることになります。

  • 相続税の二割加算
      上記の速算表をもとに計算した金額がそのまま適用できるのは、法定相続人が配偶者・直系
     血族である場合だけです。その他の場合は計算した金額に二割加算した額を納税する必要が
     あります。
      第三順位つまり兄弟姉妹が法定相続人である場合や、法定相続人以外への遺贈、死因贈与
     契約がある場合は、この二割加算をしなければいけませんので注意が必要です。
      また、いわゆる孫養子は直系血族ですがこの二割加算の対象になります。

  • 相続時精算課税
      贈与があると、その額に応じて贈与税という税金が課せられます。そして、その税額はかなり
     の高額になります。

基礎控除後の課税価格 税率 控除額
200万円以下 10%
300万円以下 15% 10万円
400万円以下 20% 25万円
600万円以下 30% 65万円
1000万円以下 40% 125万円
1000万円超 50% 225万円
                                        基礎控除額=110万円

      例えばXさんがYさんに2000万円贈与すると、下記のようになります。
     (2000−110)×0.5−225=720万円
      もし、贈与ではなくX‐Y間の相続であれば、
     基礎控除5000万円+(法定相続人の人数×1000万円)におさまりますので、非課税になり
     ます。
      つまり、お金を貰えば多額の税金を納めなければならず、死亡を待って相続すると税金がか
     からず(もしくは少額で)済むということになります。
      こういった「多額の納税がネックになって、贈与ができない」ということを解消する為に「贈与で
     ありながら、相続税のような少額の納税で済む」という制度があります。これが相続時精算課税
     です。

      相続時精算課税の制度を利用する為には、下記の条件を満たす必要があります。
       1.贈与する者は、1月1日現在で65歳以上であること。
       2.贈与を受ける者は、1月1日現在で20歳以上であること。
       3.贈与を受ける者は、贈与する者の推定相続人である子供であること。
          (子が既に死亡している場合は、20歳以上の孫(代襲者)でも可)
       4.税務署に申告すること。

      相続時精算課税では、2500万円の特別控除があります。そして、それを超えた金額に対し
     て一律20%の税金がかかります。
      例えば、3000万円を贈与する場合は、(3000−2500)×0.2=100万円の税金がかか
     ります。

      贈与者が死亡した時には、相続時精算課税の特例をうけて贈与した財産も「相続財産」として
     扱います。その贈与した財産も含めた遺産相続に対して「相続税」を計算します。そして、贈与
     の時に納めた税金は、相続税の前払いという扱いを受けます。
      例えば、相続時精算課税によって100万円を納税した後の相続で、相続税の総額が1000
     万円となった時には、相続時に納税する金額は1000−100=900万円となります。
      ちなみに既に納税した額より相続税の方が少ない時は、差額が還付されます。




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  1. 遺産分割協議
     遺産は法定相続分の割合で共有となっています。自由に処分・使用する為には具体的に分けて
    各々の財産にしなくてはなりません。その為には相続人全員で協議します。
     相続放棄した人は相続人ではありませんから協議には参加しません。
     相続人に未成年者成年被後見人がいる場合は、後見人がその相続において利害関係にあれ
    ば、特別代理人の選任が必要です。(家庭裁判所に申請しなくてはなりません)
     主に身近な人達での協議になりますが、それぞれに置かれている状況がことなります。民法では
    『遺産の種類や性質を考えて公平に評価し、相続人の年齢や職業、また心身の状況・生活状況など
    の事情を全て考慮して遺産の分割を行うように』と、その基準を示しています。よって、そのような基
    準に基づいた協議であれば、どのような分割になっても良いということです。

  • 遺産分割の種類
    現物分割
       相続資産そのものを相続人に分ける方法です。
       例えば、相続人Aには土地と建物、相続人Bには株式、相続人Cには貴金属と預貯金という
      具合に分けます。また、土地の分筆も現物分割となります。


    価額分割
       相続財産を売却処分して、その代金を相続分に応じて分ける方法です。
       相続人数人に対して遺産の主なものは土地と家だけ、というような分割が困難で現物分割で
      きない場合の方法です。


    代償分割
       現物分割ができない、また現物分割すると損失が出るような場合にとられる方法です。
       「住居・自社株式・事業用財産・農地」などの遺産を分割できない場合に、その遺産の全部ま
      たは大部分を一定の相続人に相続され、現物遺産を取得した者が、他の相続人に対してその
      人の相続分を金銭で支払う方法です。
       代償分割はその旨を遺産分割協議書に明記する必要があります。


     財産を取得した者が以前から所有していた土地などを渡した場合は、譲渡となります。(所得税
    がかかります
     相続した後で他の相続人に現金を渡した場合は、贈与となります。(贈与税がかかります


     以上の方法を資産の状況に照らして組み合わせて行います。現物分割できるものは現物分割し
    て、残りを売却して現物分割の不公平をその価額で補うという具合です。
     誰がどの資産を取得するか全員の合意ができれば、遺産分割協議書として書面にします。(全
    員の実印押印、印鑑証明書の添付が必要です)協議書への全員の記名押印によって、合意された
    という有効な証拠となり後日の紛争を防止します。
     遺産分割協議書には特別な様式はありません。提出先でその名義の変更がスムーズにできる
    ように記載することが大切です。全部の遺産分割の終了を待たずとも、遺産の一部について協議
    が調えば作成することも可能です。
     協議が調わなかったり、相続人の中に行方の分からない者がいる為に協議ができない場合は、
    家庭裁判所に申し立てます。


     遺産の調査及び法定相続人の確定が終わりましたら、遺産分割協議を行います。
     遺産分割協議書とは、この協議の内容を記載した文書です。遺産分割協議によって、対外的
    には誰が何を相続したのかを主張できます。各相続人は遺産分割協議書に拘束され、撤回する
    ことができません。
     相続人全員の合意があれば、遺産分割協議書のやり直しは可能です。ただし、財産の移転が
    あれば、税法上は『新たな贈与』とみなされる為、税金がかかります。


     遺産分割協議は法定相続人全員で行う必要がありますが、法定相続人が未成年であったり、
    行方不明の時などはどうするか、そのような場合の対応を説明します。

  • 法定相続人に未成年者ががいる場合
      未成年者は遺産分割協議できません。法定相続人に未成年者がいる場合は
       ・未成年者が成年に達するまで待ってから遺産分割協議を行う。
       ・未成年者の代理人が遺産分割協議を行う。
     のいずれかの方法を取ることになります。
      未成年者の代理人は通常は親になりますが、相続の場合親子揃って相続人であるケースが
     多く、この場合親と子の利益が相反することになる為、親の子供の代理人ちして分割協議を行
     うことができません。また、数人の子供を一人で代理することはできません。
その為、未成年者
     一人ひとりのために『特別代理人』を選任します。特別代理人は家庭裁判所に選任の申し立て
     を行います。尚、「特別代理人として祖父を選任する」といった申し立ても可能ですので、親族内
     で遺産分割協議を行うこともできます。

  • 法定相続人に行方不明者がいる場合
      法定相続人の中に行方不明者がいる場合は
       ・失踪宣告されるのを待って、遺産分割協議をする。
       ・不在者のための財産管理人を選任して、その財産管理人を交えて遺産分割協議をする。
     のいずれかの方法を取ることになります。

  • 法定相続人に海外在住者がいる場合
      住所地が海外の為、実印の用意ができない場合には実印の代わりにサインをします。そして、
     当該国の日本大使館や領事館などで『このサインは本人のものである』との証明をもらって下
     さい。

  • 法定相続人に認知症で協議できない者がいる場合
      一時的であっても、症状が回復すれば遺産分割協議は可能です。その点、成年被後見人の遺
     言作成に比べ、保護が弱いという問題が指摘されていますが、現状の法律を適用すれば一時的
     であれ症状の回復している時の遺産分割協議は有効です。
      一時的にでも回復することがない場合には、成年後見人の選任を家庭裁判所に申し立てて、そ
     の成年後見人を交えて遺産分割協議を行うことになります。


   遺産分割協議書
  • 遺産分割協議書の書式
      遺産分割協議書には決まった書式はありませんが、いくつかの注意点があります。

     ・ 遺産分割協議は法定相続人全員で行わなければ効力がありません。戸籍調査の上、間違い
      のないように注意して下さい。尚、協議ですが、必ず全員が集まって協議しなければならない
      いうわけではありません。一通の遺産分割協議書、またはその案を作成して「この内容で良けれ
      ば実印を押して下さい」というやり方は数多くみられます。

     ・ 厳密には署名でなく記名でも構いませんが、後々の紛争やトラブルを避ける為にも署名するよ
      うにして下さい。印鑑は実印を使わないと、銀行手続や不動産登記ができません。

     ・ 不動産の場合、住所ではなく登記簿通りの表記をして下さい。銀行などは支店名・口座番号を
      書いて下さい。

     ・ 遺産分割協議書が複数枚にわたる場合は、法定相続人全員の実印で割り印して下さい。

     ・ 遺産分割協議書には実印の押印が必要ですが、それと共に印鑑証明書も添付して下さい。



                   遺産分割協議書


    平成○○年△△月××日、兵庫県尼崎市××町○○丁目△△−××、甲乙 
   丙太郎が死亡したことに伴う相続につき、共同相続人である甲乙 一郎、甲乙 
   二郎、甲乙 三代の三名はその相続財産について、次の通り遺産分割協議をした。

  1.相続人甲乙 一郎は次の遺産を相続する。
     ○○県△△市××町123番
         宅地  350.00平方メートル
     同所同番地
     家屋番号 123番  居宅  木造瓦葺2階建
     床面積  1階   150.00平方メートル
            2階   120.00平方メートル

  2.相続人甲乙 二郎は次の遺産を相続する。
     ○○銀行△△支店の被相続人名義の預金
         定期預金   金1000万円
     ××株式会社の株式   1000株

  3.相続人甲乙 一郎は上記遺産を取得する代償として、相続人甲乙 三代に
   対して金700万円を支払う。


    上記の通り相続人全員による遺産分割協議が成立したので、これを証する為、
   本書3通を作成し、署名押印の上、各自1通を保有するものとする。


     平成○○年△△月××日

      住所   兵庫県神戸市中央区○○町△△丁目×−×
      相続人  甲乙  一郎     実印

      住所   兵庫県西宮市△△町××丁目○−○
      相続人  甲乙  二郎     実印


      住所    大阪府大阪市北区××町○○丁目△△
      相続人  甲乙  三代     実印



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  1. 預貯金・不動産等の手続
  • 預貯金等の手続
      被相続人の預貯金は、金融機関が名義人(被相続人)の死亡を知る前は引き出しが可能です
     が、死亡の事実が金融機関に知れると口座を凍結されます。凍結された口座は、一切の出し入
     れ・解約などができなくなります。また、自動引き落としや振込み入金もできなくなります。ただ
     し、定期預金の類は必ず相続の手続が必要です。
      凍結された口座を解約・名義変更する為には相続人全員の同意が必要になります。すでに
     遺産分割協議書を作成している場合は、その遺産分割協議書で相続人全員の同意が証明さ
     れますので、再度相続人の同意を得る必要はありません。

      金融機関の窓口に行く場合には「身分証明書(免許証や保険証など)」「実印」「印鑑証明書
     (銀行提出用)」及び「戸籍」「遺産分割協議書」「協議書に添付した印鑑証明書」などが必要に
     なります。必要な書類は金融機関によって多少異なりますので、事前にお問い合わせ下さい。
      遺産分割協議書がまだ調っていない場合は、金融機関が用意している書面に従って、全員
     の署名、実印の押印、印鑑証明書の添付をした上で窓口に提出して下さい。

      金融機関によって、相続人が法的に問題の無い書類を提出しているのにも関わらず、自社
     の規定を持ち出して不必要な書類の提出を求めてくる場合があります。
      例えば、遺産分割協議書に「甲銀行 乙支店 口座番号12345は、相続人Aが相続する」
     と明記してあるのに、銀行側が相続人全員の同意書を付けてくれなければ手続できないと言っ
     てくることがあります。このような場合は相手側の言うとおりに書類を揃えるか、こちらの主張
     を通して相手側を納得させるしかありません。
      また、手続過程で窓口の方が「遺産分割協議書は当行に頂きます。」などと言ってくる場合が
     あります。この場合、間違っても「わかりました。」などと言わないで下さい。「必要ならコピーを
     とって下さい。原本なので渡すことはできない。」とはっきりおっしゃって下さい。
      せっかく作成した遺産分割協議書は、後々何かトラブルが発生した時などにも役立ちますの
     で、大切に保管して下さい。

  • 不動産の手続
      不動産の手続といえば登記です。不動産の相続登記は一般的に下記の方法があります。
       ・被相続人のままにしておいて、遺産分割協議が調ってから遺産分割協議書に従って登記
        をする。
       ・法定相続分に相続登記をして、遺産分割協議が調った後に遺産分割協議書に従って再度
        登記をする。
       ・遺言書があり、不動産について明記されている場合は、遺言書に従って登記をする。
       ・協議が調っている・いないに関わらず、被相続人名義のままおいておく。

      不動産登記は義務ではありませんし、いつまでに登記しなければならないといった決まりも
     ありません。その為、何もせず被相続人名義のままでということもよくあります。では、何もしな
     くても何の問題も無いのかといえばそうではありません。
      法定相続分に相続登記する場合、一人の相続人が単独で行えます。他の相続人の協力や
     同意は必要ありません。また、ある相続人の債権者はその債権を保全する為に相続人に代わ
     って法定相続分による相続登記をすることができます。これが何を意味するかといいますと、
       1.遺産分割により持ち主ではなくなった相続人が法定相続分通りの相続登記を申請して、
         自分の持分を売り払ったり、担保を設定できる。
       2.相続人に負債があるとき、債権者がその相続人に代わって法定相続分通りの相続登記
         をして、その相続人の持分を差し押さえて競売にかけることができる。
     ということです。このように登記をせずに放置するにしても、このような危険やトラブルに巻き込
     まれる可能性があることを理解しておいて下さい。
      また、相続登記や遺産分割協議を行わないまま相続人が死亡した場合は、相続人の相続人
     が関わってくる為、協議が紛糾するといったこともあります。

      不動産の相続登記には、遺産分割協議書、またはこれに類する書類、法定相続人確定に必
     要な戸籍などが必要になります。
      ちなみに登記に必要な登録免許税は、不動産評価額の0.4%です。(評価額1000万円に
     つき4万円)


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  1. 相続財産の名義変更等
     相続財産の名義変更手続には必要書類を揃えなくてはなりません。必要となる書類は
      ・法定相続人を確認する書類(戸籍関係書類・相続人関係図など)
      ・相続した人を証明する書類(遺言書・遺産分割協議書など)
      ・名義変更申請書(相続財産によって異なります。金融商品は各金融機関に備え付けのもの・
       不動産は登記申請書の作成が必要です。)
      ・住民票、実印・印鑑証明
    など、提出先に必要な書類を揃えて下さい。

預貯金・株式 名義変更
土地・建物 不動産登記
生命保険 名義変更
自動車 所有権移転
電話 承継手続
     相続財産や関係先によって手続や必要書類が異なりますので、充分にご確認下さい。


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  1. 養子縁組と相続
     養子縁組がある場合の相続について解説します。養子縁組には普通養子と特別養子があります。

  ※普通養子・特別養子
  • 普通養子
      一般的に養子といった場合は『普通養子』を指します。養子縁組を法律に則って説明すると
     以下のようになります。
       1.成年に達した者は養親になることができる。
       2.年長者及び尊属は養子にすることができない。
       3.配偶者のある者が養子縁組をする場合、配偶者の承認が必要。
       4.配偶者のある者が未成年者を養子にする場合、配偶者と共に養子縁組しなければなら
         ない。ただし、配偶者の嫡出子を養子にする場合を除く。
       5.未成年者を養子にする場合は、家庭裁判所の許可が必要。ただし、自己または配偶者
         の直系卑属を養子にする場合を除く。
     列記するとややこしく思えますが、内容自体は極々当然のことに過ぎません。
      普通養子縁組の場合、養親との間に新たな親子関係が生じますが、実親との親子関係が
     消滅するわけではありません。即ち養子に出したとはいえ、実親との間には法律関係が存在
     します。
      養子は養親が死亡したときに法定相続人になるだけでなく、実親が死亡したときにも法定相
     続人になります。逆に子供が先に死亡し、親が法定相続人となる場合、養親・実親ともに法定
     相続人になります。そして、その法定相続分の割合は同等になります。例えば、養子が死亡
     して法定相続人が養父・養母・実母である場合は法定相続分は各3分の1ずつになります。
      兄弟姉妹が法定相続人となる場合ですが、養子は実の兄弟姉妹・養子縁組による兄弟姉妹
     に関わりなく法定相続人となり、また被相続人にもなります。

  • 特別養子
      普通養子と比べて『特別養子』はかなり厳格な制度です。特別養子縁組が成されると、子供
     と実親との親族関係が終了します。法律上では他人同然となります。よって、互いに相続人に
     なることはありませんので、代襲相続などの問題も起きません。また、その養子縁組の要件は
     普通養子に比べて厳しくなっています。
       1.養親となる者が家庭裁判所に請求する。
       2.夫婦がそろって養親にならなければならない。配偶者の嫡出子(ただし普通養子縁組
         した子供を除く)を養子にする場合を除く。
       3.夫婦ともに20歳以上でかつ一方は25歳以上でなければならない。
       4.養子をなる者は6歳い未満でなければならない。ただし、8歳未満であって6歳未満の
         時から養親になる者に監護されている者を除く。
       5.養子となる者の父母の同意が必要。ただし、虐待など養子となる者の利益を著しく害す
         る事由がある場合を除く。
       6.簡単に離縁できない。次の要件を両方満たさないと離縁できない。
           ・養親による虐待など養子の利益を著しく害する事由がある。
           ・実父母が相当の監護をすることができる。
      6の場合、たとえ養親が養子を虐待しても、実父母が監護できる状態でなければ離縁するこ
     とはできないということです。

  • 養子縁組と代襲相続
      養子が養親より先に死亡した場合、代襲相続はどのようになるというと、養子の子供の出生
     (または養子と養子の子供の間の養子縁組)が養子縁組の先か後かで異なります。
       ・養子縁組前の子供は代襲相続人になれません。
       ・養子縁組後の子供は代襲相続人になれます。
     これは養子縁組制度の問題点ですが、子供のある者を養子にした場合、その養子の子供(養
     子の連れ子)と、養親との間には法定血族関係が生じません。代襲相続人は、直系血族でな
     ければならない為このようになるのです。


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  1. その他